感染症対策研究

 

【特集】 感染症危機管理への取り組み

私たちの研究ユニットでは、医療の情報化に関する研究の一環として、感染症対策の情報化に取り組んできました。現在進行している新型コロナウイルス感染症によるパンデミックにも、これまでの研究成果を生かした貢献を果たしていきたいと考えています。

感染症危機管理における位置情報活用に向けた基盤的技術の開発

令和2年度 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED) ウィルス等感染症対策技術開発事業
保健所に生じている多大な負担が、感染対策のボトルネックとなってきました。そこで、「感染症患者の情報管理を効率化する技術」の研究開発を通じて、公衆衛生行政へと貢献しています。→ 詳細

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携帯電話関連技術を用いた感染症対策に関する包括的検討

令和2年度 国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) 社会技術研究開発センター (RISTEX) 科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックにおいて、政府は数多くの情報系施策を緊急で実施しました。本研究では、そのなかでも、携帯電話を利用した接触通知アプリ「COCOA」として知られる接触通知アプリの技術評価に取り組んでいます。→ 詳細

新型インフルエンザ等の感染症発生時のリスクマネジメントに資する感染症のリスク評価及び公衆衛生的対策の強化のため研究

厚生労働科学研究費補助金(研究分担)  新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
国内の感染症危機管理関係者は、2009年のパンデミックの反省を踏まえ、来るべきパンデミックにむけた様々な準備を行なってきました。本研究では、そうした観点から、現在の公衆衛生行政における情報技術を評価し効率化の指針を示すことで、将来的な感染症リスクの低減へと貢献します。→ 詳細

ワクチン職域接種における接種券分割交換法の試行 〜ワクチン接種日時を自由に交換〜

公衆衛生分野への経済学的応用
2021年新型コロナワクチンの住民接種では、自治体の管理する接種枠の予約システムにアクセスが殺到し混乱する事態を招きました。本研究は、経済学との学際研究として、「ワクチン接種日時を住民間で自由に交換可能」とすることで、ワクチン配分における問題の効率な解決を目指しています。→ 詳細

論文・発表一覧

原著論文・総説 Shusaku Egami, Yasunori Yamamoto, Ikki Ohmukai, and Takashi Okumura, “CIRO: COVID-19 Infection Risk Ontology”,PLoS One. 2023 Mar 30;18(3):e0282291.
Atsushi Ito, Yuichi Watanabe, and Takashi Okumura,Patients’ acceptance of placebo antibiotics in Japan:a prescription for antimicrobial resistance.Journal of Pharmaceutical Policy and Practice, 15, 79 (2022).
奥村貴史, 藤田卓仙, 米村滋人,
「携帯電話の位置・接触情報を用いた感染リスク管理の歴史・現状と課題」
情報処理学会論文誌,Vol.63, No.5, pp.1225 – 1233, 2022年5月号 
町田 裕璃奈, 日野麻美, 堀 成美, 奥村 貴史,
“新型コロナウイルスパンデミックにおける健康危機管理用情報システム:
過剰なトップダウンが引き起こしうる逆説的状況と教訓”,
情報処理学会論文誌, Vol. 63, No.3, pp.725 – 732, 2022年3月号 
Junko Ami, Kunihiro Ishii, Yoshihide Sekimoto, Hiroshi Masui,Ikki Ohmukai, Yasunori Yamamoto, and Takashi Okumura,Computation of Infection Risk via Confidential Locational Entries A precedent approach for contact tracing with privacy protection,IEEE Access, vol. 9, pp. 87420-87433 (2021)
Tsuchida, N., Nakamura, F., Matsuda, K. et al. Strategies for the efficient use of diagnostic resource under constraints: a model-based study on overflow of patients and insufficient diagnostic kits. Sci Rep 10, 20740 (2020). https://doi.org/10.1038/s41598-020-77468-2
学会・研究会発表 Junko Ami, Yanbo Pang, Takehiro Kashiyama, Takashi Okumura, Yoshihide Sekimoto,”Infection risk estimation using locational information without privacy violation”,Digital Technologies in the Covid-19-Pandemic: A Transnational Dialoguebetween Germany and Japan (TechCo),The Institute for Medical Ethics and History of Medicine of the Ruhr-University Bochum (Germany),Mar 2022.
町田 裕璃奈, 奥村 貴史,
“新型コロナウイルスパンデミック対策における情報技術のアジャイル開発
国内における動向と課題”,
第154回情報システムと社会環境研究発表会, 情報処理学会, 2020年12月12日.
奥村 貴史,「位置情報と感染症対策─歴史と現状」,
感染症対策目的での医療情報の取り扱いと法倫理
医療情報学会 公募ワークショップ8 (5-D-1-03),
第40回医療情報学連合大会, 2020年11月22日.
江上周作, 大向一輝, 山本泰智, 伊藤真和吏, 坂根昌一, 網淳子, 奥村貴史,
“SARS-CoV-2感染リスクオントロジーの提案”,
人工知能学会セマンティックウェブとオントロジー研究会,2020年11月20日.
町田 裕璃奈, 堀 成美, 奥村 貴史,
「新型コロナウイルスパンデミックにおける公衆衛生行政
と情報システム-国内における動向とデジタル庁開設へ向けた教訓-」
情報処理学会 第83回全国大会, 2020年3月
飯野 健広, 早川 吉彦, 奥村 貴史
「発声由来のウイルス拡散制圧を目指すスロートマイク音声処理
-音質向上のための学習用データセットの構築に向けた予備実験-」
情報処理学会 第191回ヒューマンコンピュータインタラクション研究発表会, 2020年1月29日
奥村 貴史
「感染リスク管理における携帯電話技術活用の歴史・現状・課題」,
情報処理学会
第30回コンシューマ・デバイス&システム研究発表会, 2020年1月25日
学会誌 奥村 貴史, “もうひとつのクラスター対策班“,
情報処理,61(10),1012-1013 (2020-09-15)