スロートマイク

研究の概要

  • 新型コロナウイルスは、感染経路として発声により生じる飛沫が重要であるため、発話を禁ずることによりウイルスの拡散を効率的に抑制することができます
  • そこで、「ささやき声での効率的な会話」を実現するため、1,000円程度で購入できるスロートマイクを活用した対話支援技術の実現に取り組んできました
  • 提案技術の実用化により、医療機関や介護福祉施設の院内感染対策として、患者や入居者、職員の発話を大きく抑制することが可能となります
  • さらに、発話抑制技術を用いた安全なキャンパス生活やオフィスワークの実現、スタバや電車、雑踏からの遠隔会議参加、各種エンターテイメントやパーティの再開がもたらされるものと期待されます

音声サンプル収集とフィルタ実験経過

11号館2階ラウンジ・収録ブースの様子
 

音声サンプル(男性)-スロートマイク

音声サンプル(男性)-フィルタ処理後

音声サンプル(女性)-スロートマイク

音声サンプル(女性)-フィルタ処理後

音声サンプルが増えることで、こうしたフィルタの性能を更に向上させて行くことができます。ご協力、宜しくお願い申し上げます。

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研究の背景

新型コロナウイルスにおいては、感染経路として、発声により生じる口腔からの飛沫が重視されています。そのため、密集状態における発話を禁ずることにより、ウイルスの伝播経路を効率的に遮断しうる可能性があります。しかしながら、社会生活において発話を禁じることは現実的ではありません。そこで我々は、「ささやき声での効率的な会話」を実現するため、僅かな発話をも採音できるスロートマイク(咽喉マイク) を活用した、対話支援技術の実現に取り組んでいます。

研究の方法

予備研究により、スロートマイクを介した会話の障害として「首の運動」、「嚥下音」に加えて「両唇音」などがノイズ源となることを同定しました。そこで現在、これらのノイズ除去と高音質化に向けたフィルタ技術の研究開発に取り組んでいます。そのためにまず、スロートマイクと高音質なコンデンサマイクとの同時録音を通じた対照データの生成を進めています。また、人工知能技術(ディープラーニング技術)を用いたノイズ削減・音質向上フィルタの研究を進めています。このフィルタをスマートフォン上に実装することにより、1,000円程度で購入が可能な安価なスロートマイクによる発話抑制が実現するものと期待されます。

研究の特徴

今回得られた知見を元にフィルタ学習用のデータセットを構築することで、スロートマイクを用いた低音量での各種会話支援技術の実現が期待されます。新型コロナウイルスの感染対策において、不職布マスクの着用に加え、このように「大声で喋らせないこと」は、感染性ウイルスの環境への拡散の極小化という点で重要と考えられます。発話抑制技術の実現によって、医療機関や介護福祉施設の院内感染対策として、患者や入居者、職員の発話を大きく抑制することが可能となります。さらに、発話抑制技術を用いた安全なキャンパス生活やオフィスワークの実現、雑踏や電車からの遠隔会議参加、各種エンターテイメントやパーティなどの再開がもたらされるものと期待されます。

プレスリリース

北見工大における新型コロナ研究-喉頭マイク-0514